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二人が通うのは小学校から大学までエスカレーター式の私立の学校。
星はそこの高校一年生、咲春は大学二年生に所属している。
星の家庭に私立の学校に通わせる程のお金は無いが、睦月家がそれを負担している。
「月斗(ツキト)は居ないのか?」
「月兄(ツキニイ)は委員会って言ってたよ?いつも忙しいからね、春兄も月兄も」
少しばかり悲しそうな表情が映る。
彼女は咲春や月斗とは五つも歳が離れている為、ずっと一緒という訳にはいかない。
互いに都合があり、それに無理矢理合わせるのは難しい。
尤(モット)も、咲春はそれを無理矢理に都合を星に合わせて来たのだが。
「…月斗は好きか?」
「…?好きだよ?お兄ちゃんだから。春兄の次位に!」
明るい笑顔に頬が緩む。
誤魔化すために星の頭に手を置き、撫でる様に頭上の手を動かす。
「あ!学校が見えたよ!」
星の視線は真っ直ぐを向いている。
そこには一般の公立の学校が幾つ入るのか分からない程の大きさの建物がある。
風で桜が散っていく。
暑くも寒くもない心地よい風を受けて、新たな一日が始まるのだ。
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