ニート

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それからさっきの親父の声が頭から離れず、晩飯で出された俺の大好物の唐揚げも味がしなかった でも俺だって男だ! やるときはやるよ。 コンコン 「親父、話ってなんだよ。」 「絋か。入れ。」 俺は内心ビクビクしながら入っていった。 「まぁ座れ。」 ソファに座って新聞を読んでいたらしい。 おれは親父の真ん前に座った。 「で、話ってなんだよ?」 「お前今、仕事を探してるのか?」 親父の一言はなんとも意外だった。 「へっ?まぁまぁかな。」 ちょっと間抜けな声が出てしまった。 「どこかにバイトか就職は決まったのか?」 久しぶりだ。こんなに親父が俺に関して関わってくるのは。 「いーや、まだどこにも決まってないよ。 それがどうかした?」 「お前に仕事をやろうと思ったんだ。」 はっ…? えっー! 「マジかよ!?」 「誰がこんな嘘つくか。シャレにもならんわ。」 まぁそうだよな…。 ニートの息子にそんな冗談はシャレにならないよな…。 「どんな仕事だよ。」 まぁ引き受けるにしても可能か不可能かはありますからね。 すると親父はすごく意外な一言を口にした。 「しらん。」
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