血濡れたウサギ

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小鳥のさえずりが響き渡る。 木葉が揺れる音が聞こえる。   そんな静かな森のなかに私は居た。   私は草原に座り、大きな本を地面いっぱいに広げる。   本のタイトルは【不思議の国のアリス】。   私はこの本をこうして読むのが大好きだった。       はじめてこの本を手にしたとき、 私は自分の鼓動が高鳴るのを確かに感じた。   次々にアリスにふりかかる不思議な出来事。 アリスと出会う不思議な人達。   この世界に行けることができたなら、どんなに楽しいのだろう。   私、亜梨子(アリス)は いつか自分もこの世界に行くことが出来るのだと ずっと信じていた。
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