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第二章 朔夜と弥生
ねえ早月、私は思うの。
どうしても変えられない運命って、あるのよね。
貴方と透さんを責めるつもりは無い。
けれど、どうしても納得がいかないの。
私はあの子の祖母として、貴方の娘を守ってきたつもりよ。
十年間、ずっと。
それでも、私の力では助けてあげる事も出来ないの。
ねえ早月。
あの子はとても優しい子に育ってくれたわ。
とても元気で、とても素直な子に育ってくれた。
でもね早月、教えてちょうだい。
どうして朔夜は、あんな目に遭わなくてはならないの?
早月。私には分からないわ。
分からないの――……
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