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手術の前の日は
眠れなかった
最後の最後まで
決心が付かず涙が流れた
私のお腹には
確かに小さい命がある
一生懸命に生きている
二人の命を
私たちの身勝手で
奪ってもいいのか…
眠れぬまま朝になり
母に病院につれていかれた
手術は下半身麻酔
全身麻酔より体へのダメージが少ないからだそうだ
とはいっても
意識のある状態での手術は
堪え難いものだった
腕に点滴をされ手術が始まった
医者と看護士の会話が聞こえる…
手術器具の音が聞こえる…
麻酔により吐き気に襲われる…
意識があるので下半身の痛みは鈍っていても感覚がある…
辛くてたまらなかった…
心が痛かった
だけど
赤ちゃんの痛みを考えると
ちっぽけな痛みだったのかもしれない
手術が終わった後
医者に
手術中、外で待っていた母が泣いていたと聞かされた
ごめんよお母さん…
ごめんよ私の赤ちゃん…
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