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(そう言う問題じゃないだろ…生きてるのが不思議なくらいだ…)
だんだんひかるには、この子が天然なのか凄いのかわからなくなって来ていた。
「でね!でね!宇宙人と言うのは…ちょっと違うかも何だけど、月の裏側から来たから半分は当たってるかなぁ」
「月の裏側だって?月の裏側に人間が住めるコロニーがある何て聞いた事もないぞ!」
「でも…あるんですよ~実際に…」
「…………」
ひかるの冷ややかな目線に愛流は、だんだん不安感を覚えて来たらしく、だんだん半べそ状態に陥っていった。
それもその筈、今までの言動からかなりの天然娘と言う事が判断出来た以上、月面基地説もどうにもこうにも疑わしい…。某アイドルのようなおちゃらけキャラではないかと、半信半疑に陥っていたひかるであった。
「う…ぐすん…うっうっ…せっかく…話せって言うから…話したのに…うぅ。信じて貰えないんですか?」
「………」
ひかるは、何も応えずに物思いに耽っていた。この子の言葉を鵜呑みにしてもよいのやら…。
愛流は涙で潤んだ瞳のまま、四つん這いになり座っていたひかるの顔に自らの顔を近づけてきた。
「…し…ひっく…信じて下さい…」
あまりにも近づいてきた彼女の顔は、とてつもなく愛らしく、しかも四つん這いの為に胸元の谷間あたりがまる見えになっていたのだ。
(か…可愛い…そう言えば…現状は、思春期の女の子と一つ屋根の下…しかも、部屋で2人きりに…。こんなシチュエーションは…二度とないかも…)
直視する事が出来なくなったひかるは、顔を赤らめながらそんな事を考えて生唾を飲みこんだ。
(いやぁ…いかん!いかん!まだ会ったばかりでどんな人間かもわからずに…。いや、待てよ…とりあえず人間なのか?それとも只の変わったコスプレ女か?)
そんな妄想に浸るひかるに愛流は、更に力強く強調して言ってみせた。
「し…信じて下さい!…うぇ…うぇ…」
ひかるは、そんな愛流の態度にたまらず手を振りながら、相手を気遣うように応えた。
「いやいやいや!わかった…信じるから、もう泣くな!話をとりあえず聞いてやるから」
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