転校生

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 キーンコーン…缶コー…ヒー  共同生活が始まり、はや一週間。僕(曽根川ひかる)は、とある事を閃き、午前中の授業が終わった後に愛流を屋上へと呼び寄せた。  秋の蒼空は、相変わらずの快晴。清々しい気分である。 「考えたんだけどさ…。月面施設があるって事は、この地球上にそれを作る為に投資した会社があるって事だろ?」  愛流は、そんな難しい話には興味を示さず、浮かれ気分で屋上を駆けずり回っていた。 (ちょっとは、俺の話を聞け…) 「はいは~い♪ちゃんと聞いてますよ~」 「そっか…ならいい…」 (ってか心読むの止めてくれ…)  ひかるは、愛流の方に向き直ると再び話し始めた。 「…って言う事はだよ…。その投資企業の名前さえわかれば…宇宙に帰れる方法が、わかるかも知れない」 (まぁ俺の力じゃ、ジャクサやNASAにまでは手が届かないからな…) 「そうか!それだぁ!」  急に反転して、ひかるの元に駆け寄ってきた愛流が叫んだ。 (び…ビビらすなよ…急に…) 「そ…そうだろ?それで何か思い出さないか?企業の名前でも何でもいい…。心当たりにある言葉は?」  愛流は指をくわえ、目を点にしながら必死に考えた。 「う~ん………………………………………………………………あ!!」 「何か思い出したか!?」 「…………………やっぱりわからない」  その言葉を聞き、ひかるはずっこけた。 「…く…役立たずめ…。あっ!そうだ!確かお前の名前がポッドに刻まれてたなぁ?」  愛流は、手の平を打ってそれに答える。 「はっ!そうだ!」 「まぁここじゃあ何だから、放課後、ポッドを広げて見てみよう!」  こうして、僕らは放課後、部活をサボり例の裏山に向かった。  しかし、ポッドを広げてみるが、企業のロゴらしいものは一切見あたらない。あるのは、大きな白いアルファベットのAIRUの文字だけ…。  致し方なく家に帰りPCにてその文字を打ち込むが、そこにも手掛かりは無かった。 「駄目だ…八方塞がりだ…。いっその事警察に…。いや!駄目だ!か弱い女子が救いを求めてきているのだ。ここは、男の見せどころ!」
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