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結局、何の手掛かりも見つからないまま、次の朝が来てしまった…。
愛流と一緒に登校すると、周りがうるさいので僕らは、別々に登校していた。
かれこれ一週間…そんな感じだ。
二週間目の朝のHLを迎える。
何故か愛流は、同じ学年同じクラスだ。そして、席は斜め後ろ…相変わらず涎を垂らしながら、気持ち良さそうに鼾(いびき)をかいている。
そんな平和な学園の校門前に、1人の白いドレスを身に纏った女性徒が佇んでいた。
金髪の長髪…。洗練された整った顔立ち…。その容姿から、どこかの令嬢のようだ。
「間違いなくこの学校からだわ…今度こそ間違いない」
彼女は、そう言うとピコピコ鳴ってるへんてこな機械をポケットにしまい込み、校門の中へと足を踏み入れて行った。
…再び教室の中…
しかし、思うに何故愛流は制服を着ないのだろうか?
いつから、この学校は私服OKになったのだ…。
そんな事を考えているうちに、担任教師の伊里本(いりもと)が、いつもと違う雰囲気で話し始めた。
この伊里本、何とも言いがたい中年男性で、白髪混じりのボサボサ頭に牛乳の瓶底眼鏡、しまいにゃ定番の黒い腕カバーを付けていた。
「はい!皆さん!今日は皆さんにご紹介したい方がいらっしゃってます。では、入って下さい!転校生の上之宮玲奈さんで~す」
上之宮玲奈…聞いた事があるぞ。確かあの上之宮財閥の令嬢じゃないか!
何故、上之宮財閥のお嬢がこんな辺鄙 (へんぴ)な高校に…。もっと階級の高いお嬢様学校など、いくらでもあるのに…
そんな疑問を抱いている最中、輝かんばかりのシルクのドレスに身を包んだ令嬢が、2年B組の汚い扉を開け、中に入って来た。
流石と言うか、何と言うか…彼女は、そこら辺りの女性徒とは品格の違うオーラを放っていた。
「「おおーっ!」」
クラスの男性陣たちが、歓声を上げる
(……って言うか、お前も私服か!!うう…夢の制服が遠ざかる…)
ひかるがツッコミを入れた後に、お嬢の自己紹介が始まった。
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