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「今日から居候します!」
片腕を天高く掲げたアイルが、またもや唐突に叫んだ。しかも、ひかるんちの玄関先で…
最初あ然としていたひかるの両親であったが、アイルがピンと指を弾いた瞬間に笑顔になり、何ともなかったように彼女を招き入れたのである。
「さぁさぁ…上がってってね。好きなだけ居ていいのよアイルちゃん」
ひかるの母が、急変した様子に驚いたひかるが母親に問いかけた。
「おいおい…お母さん!何言ってるんだよ!俺だって今日会ったばかりなんだぜ?いつまでも居座っていいなんて…そりゃないよ」
そこへ同じくポカンとしていた親父さんが、割って入って来た。
「おい!ひかる!アイルちゃんになんて事言うんだ!お前の従姉妹だろうが」
その言葉に開いた口がふさがらないひかるであった。
そんな彼は、ポカンとしながらアイルの顔を見ると、彼女は舌を出しながら照れていた。
(こいつ…何かやったな!魔法か?超能力か?やっぱり宇宙人だ…)
ひかるが、そんな事を思っていると親父が再び話しかけてきた。
「ほら…親戚の…お父さんの妹の…何だっけな名字…」
(…って言うか、お前に妹なんていないだろう!末っ子なんだから!そんなの初耳だぜ)
ひかるが気持ちの整理も付かずに混乱していると、彼女がその親父の言葉に答えた。
「ん…と…あまみ…天見愛流!」
「ああ…そうだそうだ…天見だ!天見!まぁそんなところで…これから愛流ちゃんをうちで預かる事になったから…母さんもひかるも宜しくな」
「って言うか!何でうちで預かるんだよ!」
「ん…?まぁあいつも色々大変なんだよ」
そう言うと母親を引き連れて親父さんは、奥の間に下がってしまった。
(あいつって誰だよ!本当に…)
愛流に振り向き直ったひかるは、すぐさまこれについて彼女に追求した。
「お前…やっぱり宇宙人か?何かやったろ?それとも…魔女っ子…」
「え?…ううん…。ちょっと能力使っただけ…ところで、魔法って何?」
彼女はそう言いながらかぶりを振った。
「能力って何だ!うちの両親に何て事しやがるんだ!いくら可愛い女の子だからってな…」
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