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ひかるの凄い権幕に一瞬怯んだ愛流であったが、すぐに気を取り戻してからこう言った。
「平気よ!害はないわ…うちらの世界じゃ当たり前の能力よ」
(当たり前の能力って何だ…)
ひかるが更に突っ込もうとすると、奥に行った筈の母親が顔を出し、話しかけてきた。
「あ!そうそう!愛流ちゃん、部屋はひかるの隣の部屋を使うといいわ。あそこはゲストルームとしていつも空いてるから、遠慮なく使って」
「はぁ~い♪お母さま」
(お母さまって…何て図々しい…)
そう言うと愛流は、そんな事を思ってるひかるの手を取り二階に向かう階段を上がり始めた。
「まぁまぁ…とりあえずは二階に上がってから話しますから」
「ん!?…まぁそうだな…ここじゃ何だからな…ってかお前が、先導するな!人の家で!」
「あらそう!じゃあ、こうするわ」
愛流は、その体勢のまま瞬間移動してひかるの後方についた。そして、背中を押すようにして彼の体を押し上げて行った。
「お前は…何でも出来るんだな…やっぱり宇宙人?」
「いいえ超次元力です!」
そうして、何やかんや言いながら2人は二階のひかるの部屋へと上って行った。
ひかるの部屋に着いた2人は、早速雑議に入った。
「それで…さっきの超何とかってのは?」
「いわゆる…超能力の事よ。…ブイ!」
そう言うと彼女は、にやけながらVサインを送った。
「超能力者か?だからさっき俺の心も読めたのか…」
「いやぁ…腐りきってます事♪おほほほほ」
口に手を添え今度は、笑い出す始末。
「余計なお世話だ…」
「はっ?今何か言いましたか?」
ひかるは、聞こえるか聞こえないかぐらいの声で小さく呟いたつもりであったが、彼女には聞こえていたようだ。
「地獄耳め…で…あのカプセルは何だ?君は何なんだ?宇宙人なのか?何で日本語がわかる?」
「質問は…一つづつにして下さい!では…一つづつ解説させて頂き…マンモス♪」
ひかるは、この言葉を聞き更に煮えくり返る腑の爆発を抑えるがごとく斜め下を向き小さく呟いた。
「真面目なのか、おふざけなのか、ようわからん…」
そんなひかるの様子を気にも止める事なく彼女は、語り始めた。
「あれは、カプセルじゃなくポッドね。本来は大気圏突入用の物ではなく冷凍睡眠用の代物なの。何かの弾みで外に放出されたんだわ…きっと…。まぁ山で良かった…間違えて海にでも落ちてたら大変だったわね」
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