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前に歩き出した。
携帯を握りしめ君に
電話をかけた。
トルルルル…トルルルル…
「奈津…?」
「潤!久しぶり、元気してた?」
君はお兄(おにー)なんかじゃない。
本当はずっと、潤って呼びたかった。
あの頃はどこかで傷つかないように心に保険をかけていた。
おにーと呼ぶ事で、恋人になれなくても側に居れるようになんて考えてたよ。
これも自分が傷つかない為の保険だったんだ。
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