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―うわー可哀相な獄寺💧あ。ベランダに逃げた。というか、吐きにいったか?―
空は不憫な獄寺に同情しながら、少し話をしてみたいとふと思い、獄寺がいったベランダに移動した。
「ぐすっ──…」
―あ。泣いてる…かわい(笑)―
「大丈夫?」
ほほ笑みながら、水を獄寺に差し出した。
「あ…ありが、とう…」
―うわー素直だなー可愛すぎる…誘拐してぇ(笑)―
(⚠只今主人公暴走中。)
「どういたしまして。さっきの発表は散々だったね💧」
「う、ん…でもお姉ちゃんがっ…一生懸命ぇっ…作って、くれたし…、こっちの方がァっ…お客さん達がッ…よ、喜ぶか、ら…」
空は静かに目を細めた。
「そっか…でも私は君が本当に弾くピアノを聞きたいな」
「ぇ?ほんと?」
「うん、獄寺隼人くん」
目を真ん丸にして獄寺は驚いた。
「名前、舞台で紹介してたじゃない?」
「そっか!お兄ちゃん、名前は?」
獄寺は満面の笑みできいてきたのを、苦笑して空は答えた。
「マリア。女よ?」
「えぇ!?あ…ごめん…」
「いいよ。慣れてるから」
微笑んだ空は正しく男だった。
そうしてまた会う約束を交わして獄寺とわかれ、パーティーは終わった。
家に帰って両親にヴァリアーにスカウトされて、受けたことを伝えると大層驚かれたが、「マリアがついていきたいと思ったならいい」と二人とも認めてくれた。
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