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「空、バイバーイ」
「バイバイ」
中学校放課後。
背の高い女子、橘 空は一人帰り道を歩いていた。
―高校受験めんどくさいなぁ…塾毎日有るし。一個レベル下げようかな…。―
良くある中学生の悩みを考えながら女子は信号待ちしていた。
赤から青に変わり、前にいた幼稚園児はお母さんの手を離し、走っていく。
ピ──────…
トラックが赤信号なのに進んできた。
「きゃあ!!」
幼稚園児のお母さんはその後を予想し顔面蒼白になりながら叫んだ。
無意識だった。咄嗟だった。
空は幼稚園児をトラックの前から突き飛ばした。
「あ」
世界は暗転し、目の前には赤と黒が広がった。変な音と強烈な痛みが一瞬した後、五感は機能を停止した。
空から光が消えた。
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