曇り空。

壱

あれから６年。
ここにきて色々あった。

まずどうやら此処はイタリアらしい。あの時はイタリア語を理解出来なかったが、今は毎日話しているので日本語並みに出来るようになった。

そして、俺の両親はマフィアだった。四歳の時に母に、お父さんは何の仕事をしているの？と聞いて発覚した時はかなり驚いた。父は少し他人に興味がないところがあるが穏やかで、とても良い父親だったから、冗談だと本気で思った。

それと同時に発覚したのが此処が元いた世界と違うことだ。
何故わかったかというと四歳の時の質問の母の答えが

｢ボンゴレといってとても長い歴史のある大きなマフィアで働いているのよ？お父さんはね、そこの九代目のボスさんの雲の守護者をしているの。九代目はとても優しいお爺さんなのよ｣

だったからだ。
どういうワケかリボーンの世界に来ていたらしい…。

母の出産の時の主治医が、かなりシャマルに似ていたのは本物だからだったんだなと、納得はしたが。

そして今日、俺はボンゴレ本部に来ている。なんでもボンゴレ九代目の息子…あのザンザスの誕生日らしく、ボンゴレや傘下のマフィアの子供たちが多く呼ばれた。
ザンザスが親しみを持ちやすいようにと同年代の子供を多く集めたと言っているが、用は女の子の場合は婚約者としての紹介が目的で、男の子の場合はヴァリアーの部下としてどうかとアピールするためだ。

何となくザンザスがあーなったのかが頷ける気がする。聡い子供なら大人の裏が透けて見えるほど心から祝っていない面白くないパーティーだ。