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「チッ」
大きく偽ソムリエは舌打ちすると、銃を取出し比較的近くにいた空を抱えて人質にとった。
「おいっ近づいたら、この偉そうな坊主を打つぞ!」
周囲が雑然としている中、空の両親達だけは笑っていた。というか一生懸命笑いをこめようとしているが出来ていない。そんな薄情な両親を視界の隅で確認した空は、とてつもなく低く冷たい声で日本語を発した。
『俺は坊主じゃねぇつーの』
それと同時に、犯人は驚いて拘束を緩めたところを空は逃さず、おもいっきり男の股間を蹴った。そして、男の腕を鉄棒の代わりにし逆上がりのようにして犯人の顔面を蹴った。さらに今は倒れていってる男の持っていた拳銃をも奪い、完璧に倒れた男の四肢を一発ずつ容赦なく打った。
その間は数秒にも満たず、男の悲痛な叫び声が会場に響き渡った。
「そんな声上げんなよ。急所は外してやったんだ」
殺伐とした中、冷えた空の声が響いた。
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