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その後、羨望と目立った嫉妬の眼差しと共に大きな拍手が空に送られた。
空は今、人がいないバルコニーにいた。元々人つき合いを嬉々としないため、こういったところで外を見ているほうが落ち着く。
そこに人がやってきた。誰だろうと顔を向けてびっくりした。
何故なら、今回の主役であるザンザスだったからだ。
空の隣にザンザスは立ち、黙って外を見ていた。
「主役さんが何故こんなところに?」
しばらく互いに何も話さず外を見ていたが、空が先に口を開いた。
「あーいうパーティーは苦手なんだ」
以外と普通に言葉を返してくれたことに空は驚いた。あまり返事を期待していなかった。
「ふーん。俺も」
「てめぇ、名は?」
目を少し見開いたが、空は微笑しながら答えた。
「マリア」
「……女?」
三秒ほどザンザスは停止したのち、返ってきたのがコレだ。
空はまた微笑して答えた。
「あぁ。男によく間違えられる」
ザンザスはニヤッとあくどい笑みを漏らした。
「まぁ性別なんてかんけーねぇ。おい、マリア。てめぇ俺の下で働いてみねぇか?」
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