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「ははは。そう照れるなよ。俺にはちゃーんとわかってるから心配するな」
「何がだよ!? 今の台詞のどこから俺がお前と同種の扱いに!?」
今日から高校生だってのに、こいつは相変わらずだな。
そもそも海里がこうなりだしたのは、中二の夏休み明け頃からだったか。
それがあまりの変わりぶりだったから、休みの間に何があったのかをいくら聞いても、
『俺はな……新世界を見たんだ』
とか言いながら、聞くたびに毎回毎回盛大に鼻血出すだけだからすごく気になる。
まぁ変わったのは幼女趣味になったってことだけだから、特に問題は無いんだよね。
……多分。
で、今俺たちは高校の入学式に出るために、家から学校に向かっている最中なんですが……。
「む……。ときに夕」
「なんだ?」
「この辺りから学校までどのくらいかかるのだっただろうか」
「だいたい二、三十分くらいだったと思うぞ」
「入学式は何時から始まるか覚えているか?」
「確か……九時から?」
「……聞いて驚くなよ? なんと今八時五十分だ」
……わお。
「「走れえぇぇぇぇぇ!!」」
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