1,人は見た目が九割

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「ははは。そう照れるなよ。俺にはちゃーんとわかってるから心配するな」 「何がだよ!? 今の台詞のどこから俺がお前と同種の扱いに!?」 今日から高校生だってのに、こいつは相変わらずだな。 そもそも海里がこうなりだしたのは、中二の夏休み明け頃からだったか。 それがあまりの変わりぶりだったから、休みの間に何があったのかをいくら聞いても、 『俺はな……新世界を見たんだ』 とか言いながら、聞くたびに毎回毎回盛大に鼻血出すだけだからすごく気になる。 まぁ変わったのは幼女趣味になったってことだけだから、特に問題は無いんだよね。 ……多分。 で、今俺たちは高校の入学式に出るために、家から学校に向かっている最中なんですが……。 「む……。ときに夕」 「なんだ?」 「この辺りから学校までどのくらいかかるのだっただろうか」 「だいたい二、三十分くらいだったと思うぞ」 「入学式は何時から始まるか覚えているか?」 「確か……九時から?」 「……聞いて驚くなよ? なんと今八時五十分だ」 ……わお。 「「走れえぇぇぇぇぇ!!」」
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