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「なっ……!」
火球は愛流の手のひらから放たれたのだった。
「なんだ!何をした!」
行人が驚くのも当然だった。ただの人間から火の玉が飛び出したのだ。全く訳が分からない。
「何ってー。ただのファイヤーボールだけど?」
「ファイヤー…ボール?」
まさしく火の玉。
「あんた見たことないの?ほんっとへんぴなとこから来たのね」
「何を…何を言っている?」
当たり前のように話す愛流と玲奈だったが、行人には理解出来なかった。
「とりあえず戻りましょう。あまりここに居ると危険ですから」
ひかるがそう言った時だった。
「グオォォォォォォ!!!」
辺り一面の大気をも揺るがすようなおたけびが響き渡った。
「な、なに!?」
玲奈が突然の出来事に戸惑っている時、森の中から巨大な何かが空に舞い上がった!
「あ、あれは…」
「ドラゴン!どうしてこんなところに…!」
空に舞い上がったのはドラゴン。人間の何倍もあるであろう巨大な体と、それに見合う大きな翼が映えていた。
その胴体から長く伸びた首、鋭い牙と爪。生身の人間などすぐに押し潰されそうだった。
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