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「そこのあんた!!なにボケっとつっ立ってんのよ!」
行人は訳がわからなかった。女の声…。理解出来たのはそれだけだ。
「ちょっと聞こえてんの!?」
聞こえてはいた。ただ行人は目の前で起こったことについて、頭の中が整理出来ていなかった。出来るはずもなかった。
巨大な狼が吹き飛ばされたのだ。ありえない光景だった。
「ちょっとあんた!」
フイに肩を掴まれ強制的に振り向かされる。
行人を振り向かせたのは女の子。同世代を思わせるような顔立ちでキレイに顔のパーツは整っていた。
気高そうな青い瞳の目を輝かせ、聞かれれば間違いなく美少女と答えるだろう。
輝かしい金色に白がかかったような髪色をしていて、背中の中程まで伸びていた。
「女…?」
「なによ!あんたこんな美少女が男に見えるって言うの!?」
「自分で美少女って…」
「何か文句あ――」
「グギャアァァァ!!」
行人と自称美少女が話している隙に巨大狼は立ち上がり、二人に突進していた。
「しまっ――」
ドゴォン!
「ギャアオォォ!!」
寸前、今度はサッカーボール程の火の玉が巨大狼を吹き飛ばした!
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