魔法の証明

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「冬樹ぃ!」 「大丈夫だ。――おい、お前!」 「……なんだ」 「お前じゃねえよハゲ。捕まってる奴だよ! そうお前だよ」  潤む瞳は何か希望を見つけたように、冬樹を見つめた。  ……何か保護欲が沸くな。リスかなんかかこいつは。そんな事を思いながら、冬樹は淡々と告げた。 「俺はお前には絶対に当てないからな」  意味が伝わったかどうかはどうせすぐに分かるはずだ。……使わないのが一番だったんだけどな。けれど関わってしまったのだから仕方が無い。冬樹はため息と共に服の下に手をやった。 「ふゆっ……なんでまだ持ってんのさ!」 「いいだろ。返せとは言われなかったしな」  悪びれた様子を微塵にも見せずに冬樹は、右腕を上げる。  冬樹が取り出したのは拳銃だった。冷たささえを覚えるような黒光りするそれは、昼間の公園とは余りにも不釣合いだった。安全装置は解除し、標準は男の眉間にセットされる。男は忌々しげに拳銃とそれを構える冬樹を睨んだ。冬樹は誰に言うでもなく独白する。 「最近の学会はとても物騒でな、科学者ともなるとこんなものまで支給されちまうんだ。まあ回収されなかったのはラッキーだな」
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