魔法の証明

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「くう……いきなり撃たないでよっ!」  唾を飛ばして吠える唯には見向きもしないで、冬樹は男にニヤリと唇の端を上げて笑いかけた。 「堕落しちまったからな。次も間違えるかもしれん」  うわー……かんっぺきに怒ってるよ冬樹。  口角を持ち上げて笑みは浮かべているが、目がこれっぽっちも笑っていなかった。後でフォローしといとかないとなと、唯は苦笑を浮かべた。  そういえば、冬樹がこんな風に怒ることが最近多かったっけ。唯が知るだけで四五個は思いつく。よっぽど気に入らなかったんだろう、魔法が。  ――学会の現状を知ったときの冬樹の荒れようは酷かった。  なんだかんだで自分には優しい冬樹が八つ当たりまでしてきたのだ。その心境は痛いほどに分かっていた。幼い頃から一緒だった唯は、冬樹がどれだけ科学者に憧れを持っていたのかを知っている。  将来の夢は絶対に科学者と、冬樹は幼い頃から言い続けていた。夢を語る度に目を輝かせて、満面の笑みで言うのだ。 『科学は絶対にみんなの為になるっ。それに自分で色々な物を作ったり見つけたりできるんだぜ。最高じゃん!』
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