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何が魔法のエネルギーなのか、何か媒体はあるのか、魔法の能力の限界、発動の条件。ここ数年でわかることは何一つとしてなかった。
まだ魔法の普及はしておらず、魔法の存在すら知らない一般人が多々なのが現状なのだ。
違うだろっ。冬樹は声を荒げて叫んだ。
魔法は科学じゃないだろと。魔法と科学は相反するものだろと。魔法は科学をめちゃくちゃにしてしまう。そんな気がしたのだ。
――が、他の科学者たちは違った。寧ろ魔法を歓迎し始めたのだ。そして冬樹が学会を抜けるきっかけとなる事を皆が口を揃えて言った。
「科学と魔法の合体はこれまで以上の発展をもたらす」
今まで数々の偉人たちが培ってきた法則を揺るがすものが、何故科学に恩恵をもたらすっ!
科学者たちに、その声は届かなかった。
適当なファミリーレストランで昼食を取り、二人は帰路に着いた。もっと探検しようよぉと、駄々をこねる唯を後ろに、淡々と来た道を戻る。その道には公園があった。
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