魔法の証明

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 所々に申し訳程度に遊具が置かれている寂れた公園だ。近辺に子どもが居ないのか、それとも最近の子どもは公園なんかでは遊ばないのか、通り過ぎた時は人の気配がまったくしなかった。 「ねえねえ」と唯。「あれってナンパかな?」  振り返って見ると、唯は公園の方を指差していた。釣られて公園を見る。少女……だろうか。深く帽子を被った小柄な人影が、三人の男に囲まれていた。ただし、唯のようにナンパには見えなかった。  ――スーツ姿の男が三人でナンパするかぁ?  怪訝そうに眉をひそめる。囲まれた子は、すっかり萎縮してしまっているようだ。服の裾を握って俯いている。警察……じゃないよな。様子を見ていると、男の一人がその子の腕を乱暴に取った。そして、上がる悲鳴。 「いやっ!」  冬樹が足を公園に向けるには、それで十分だった。 「その手ぇ離せよ」  男たちがいっせいに振り返る。そして、三人が同じように眉間にしわを刻んだ。 「引っ込んでろ」男の一人が抑揚の無い声で言う。「これは仕事だ」
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