魔法の証明

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 またこいつに頼らないといけないのかと、少しの情けなさを覚えながら冬樹はちらと横を見た。冬樹の横を風が走った。唯は冬樹の横を颯爽と通りぬけ、地を強く蹴り、低く跳び上がる。  突然現れた乱入者に男たちは何もできなかった。前に勢いよく突き出した足が、男の胸元に当たる。 「いよっし! 悪者一人退治だよっ」  唯の動きはそれで終わらなかった。振り向きながら勢い良く踵を振り上げる。横にいたもう一人の男の顎を、踵が的確に捉えた。男の身体が少し浮き、そのまま受身も取れないで倒れる。 「んで、二人目!」  足を下ろした唯はそう言ってにかっと笑った。 「……やっぱりお前女じゃないだろ」  絶対ゴリラの生まれ変わりだ。倒れた男を見ながら言う冬樹に、唯は頬を膨らませた。 「ひっどおい! 助けてあげたのにっ」 「はいはい、ありがと」 「誠意が籠もってないよ、誠意がっ」  冬樹はそれ以上返さず、最後の男の方を向いた。唯も仕方なしに、唇を尖らせたまま男の方を見る。 「さて、お前一人な訳だが……」 「なんなんだお前らは……他の研究所の奴か?」
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