壱--ハジマリ--

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時計は二時を指した   針が動いた瞬間、真っ暗になった。       次に光が差した時、ビャッコは自分の部屋にいた。     (学校にいたはずだが……何があったんだ?)   部屋を出ると先の見えない廊下がある。ビャッコは歩いた。     母がいる。 いつもより雰囲気が違う。 父がいる。 こちらもいつもより雰囲気が違う。     二人は何も映ってないテレビを見ていた。   「……」   ビャッコは二人に声をかけずに家を出た。     (もしゲームならここでモンスターとか出るんだろうか?)   ビャッコの詠みは当たった。 誰が見ても「私はモンスターです」と言ってるような生物が現れた。   (もしゲームなら闘うのだろうか?) いや、そんな必要はない。『武器』がない。闘う気なんてない。     ビャッコはそう思ってそこから走り去った。   学校に来た。     最後にいたはずの教室にやってきた。     黒板に字が書いてある。     ……読めない。 おそらく人間の文字ではないのだろう。   ビャッコがその字を見てる所に一人の男が教室に入ってきた。   あの時に話し掛けて来た奴だ。
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