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「……ねみぃ……ここは俺の部屋だよな――」
むくりと体を起こす。
何故かベッドに寝ていた俺を待っていたのは、強烈な眠気と何時もの小汚い自室だった。
あれ~おかしいなぁ…夢でも見てたのかなぁ…?
そうだよな。ギャルゲに入れるなんて、そんなうまい話があるわけがないか…。
夢心地が良すぎたせいなのか。寝癖が酷い頭をかきながらため息を吐いてもう一度部屋を見渡す。
あ~騙された。夢なんかに興奮してた自分が情けない。
と、思っていたらテーブルの上に見覚えのあるパズル模様のケースを発見した。
と、同時にあれが夢でなかった確信が持てる何かが布団の中にあるのに気が付いた。
「…まさかな。まさか、兄を起こしにきた妹が、そのまま眠くなり兄の布団の中で寝てしまっているなんて二次元ネタがあるわけがないよな?――」
期待と不安で心臓がバクバクしている。
…、確実に自分以外の体温がある。腰辺りで丸まって寝ている。
案ずるな俺よ。この布団を剥ぎ取れば全てが分かる。
「スースー…」
脳が覚醒を始めたのか神経が研ぎ澄まされてきた。
疑いの眼差しを向けている布団の膨らみから寝息が聞こえてきたので、俺は布団を全力で投げ飛ばした。
「ど、ど、ど、どりーむじゃなかったどぅわぁ!!」
夢じゃなかったんだ。と言いたかったんだ。
俺の膝辺りを寝息を立てながら小さな手で掴む美少女を見たら涙が出てきた。
「むにゅ……あ、お兄ちゃんおはよう!!」
「お、おう……」
半身を上げ赤茶のショートヘアをフリフリと左右に振り瞳がぱっちりとしていて可愛い美少女が満面の笑みを俺に向ける。
これはもはや夢だ現実だ云々言ってる場合じゃない。
本気で可愛い!抱きしめたくなる!しかもお兄ちゃんだなんて……。
「うにゃ…うにゃ…」
思わず頭を撫でてしまっていた。
この感触…3D、幻、幽霊、妄想…断じて違う。
まさしくこの感触は本物だ!
全てが始まったんだ。
俺の無くしたスリーピースを探す欲望の渦巻く二次元ライフが。
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