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「お宝の話は本当だってば。今日の朝、しー君が『愛流、良いこと教えてあげるよ。時計台の宝の噂は知っているでしょ? あれデマじゃなくて本当らしいよ。僕の友達が地下へ向かう通路らしきものを見つけたんだって。生憎そいつは謎を解けなくて諦めたらしいけど。興味があるなら行ってみれば』って言ってたんだよ」 その後「一緒に行く?」って聞いたら、興味がないってばっさりと切られちゃったんだよね……。 しかも、さっさとご飯食べて一人で学校行っちゃうし。最近しー君冷たいんだよなぁ。 はっ! もしかしてこれが反抗期ってやつなのかな。 ここはお姉ちゃんとして、しー君が変な道に進まないようにしっかりとしなきゃ。 ――なんて、考えていたら目の前でパンッと手を叩かれた。 「何一人で百面相してるんだよ。っていうか話の途中で物思いに耽るなよな」 本日何度目になるのか、ひかるちゃんが呆れたように溜め息をついた。 「それで、静流が本当にそんなこと言ってたのか? 天見が話しを捏造したっていう方がよっぽど信憑性があるんだけど。怒らないから本当のこと言ってみな」 「まぁまぁ、ひかるさん。静流君が言うのなら案外この話、信用できるかもしれないですわよ。彼がそんな出任せをわざわざ言うとは思えないですし」 「なら本当かもしれないって? なるほど。それも一理あるか……」 そう言うなり玲菜ちゃんは口許に手を、ひかるちゃんは腕を組んで考え込んでしまった。 あーもう、焦れったいな!  
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