19人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう! ここであーだこーだ話してたって、本当かどうかなんて分からないじゃん。だったら、だめもとでも行ってみようよ。『気になったことは、どんな小さなことでも調べる!』それがこの新聞部じゃん」
立ち上がって宣言すると、二人がくすくすと笑いだし――
「分かったよ」
「いつ行くんですの?」
――そして、すんなりと同意した。
えっ、何? どういうこと?
行ってくれるのは嬉しいけど、いきなり手の平を返したような反応は怖いんだけど。
「ごめんなさい、愛流さん。少し前――丁度物思いに耽っている頃から、愛流さんがいつ『行くぞ』と言い出すかと、ひかるさんと試していたんですのよ」
「天見は言い出したら止まらないっていうのは、俺も玲菜も良く知ってるからな。だからどれくらいでキレるか試してみたんだよ。今回は意外と長かったな」
「ええっ!? 何それぇー。愛流からかわれてたってこと?」
思わず力が抜け、椅子にへたり込んだ。そして机に突っ伏せたけれど、悔しいから少しだけ顔を上げて、二人を軽く睨んでみる。
けれどそれは全く効果がなくて、それどころかひかるちゃんに至っては肩を震わせて笑いを堪えていた。
「もうっ。二人とも罰として、明日のおやつと飲み物を持ってくること」
そう言うと、二人は笑うのを止め、首を傾げた。
最初のコメントを投稿しよう!