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「あっ! そういえば、玲菜ちゃん。何か分かった?」 すっかり忘れていたけど、昨日帰りがけにしー君に友達を紹介してもらったんだった。それで、その子に話を聞いたら、他にもそれらしいものを見たという子がいるっていう話になったんだよね。 しかも、それが玲菜ちゃんの幼なじみの後輩という偶然。その子はもう下校した後だったから、話を聞いておいてもらうことになったの。 「詳しい場所は行ってから教えますが、なんでも壁の僅かな亀裂部分から風が吹いていたそうです」 「それって、その亀裂が外にまで繋がっていたとかそういうオチじゃないのか?」 あぁ。良くあるよね。そういう残念なパターン。 今回もそういうのかと思ったけれど、玲菜ちゃんは首を横に振った。 「いえ。始めはそう思ったそうなのですが、よくよく考えてみるとおかしいそうなのです」 「おかしい?」 愛流とひかるちゃんとで、同時に首を傾げた。 「塔を外側から壁に沿って歩くと、およそ50歩くらいなのですが、中を歩くと30歩分しかなかったのです。それも正四角錐のはずの塔が、中は縦が短く、長方形になっているとか」 「一辺の壁だけ厚いってことか。そりゃあ怪しいな」 そう言いながら、ようやく食べ終わったひかるちゃんは「ご馳走様」と手を合わせた。 「よしっ! じゃあ、みんな食べ終わったことだし、行きますか!」  
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