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むかしむかし、あるところにアルカディア魔法学園という、少しだけ不思議な力が使える生徒が通える学校がありました。 そしてその学校には三つの新聞部が。 その中で、もっとも優秀だったのが第三新聞部だったのです。 それもそのはず。 第三新聞部の部長は成績優秀、運動神経抜群の才色兼備であり―――― 「変なものを書いてるんじゃなーいっ!」 パシーンと、どこをどう叩けばそんな音が出るのかと思うような見事としか言えない音とともに視界は揺らぎ、一拍置いて後頭部にじわりと広がる疼痛……。 「いっっったぁーい。何するんだよ、ひかるちゃん! 愛流(あいる)の貴重な脳細胞が死んじゃうじゃない」 頭を押さえながら振り返ると、そこには丸めた雑誌を持って見下ろしている人物が。 そして、悪びれた様子もなく一言。 「大丈夫。天見(あまみ)の頭は頑丈だから」 「そうだねー。愛流、石頭だもんね。……って、違うっ! 違うよ、ひかるちゃん。石頭と脳細胞が死滅するのは関係ないよ!」 多分だけど。 「二人とも何を騒いでいるんですの? 廊下まで筒抜けですわよ」 声のした方を見れば、玲菜(れいな)ちゃんが壁に寄り掛かって、呆れたように腕を組んでこっちを見ていた。  
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