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玲菜ちゃんを一言で表すなら『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』と、いったところ――って、誰かが言ってたっけ。 ふわっふわの金髪に、キリっとした碧眼が印象的。制服からはすらりと白い手足のびていて、誰もが振り返るような美人さん。毎日のように告白のお呼出しがあるほど。 家は昔から続く上之宮(うえのみや)という名家で、超がつくほどお金持ち。 厳格なお祖母さんに育てられたからか、自分にも他人にも厳しい子。同い年とは思えない程しっかりしてて、頼れるお姉さんって感じ。 そして、愛流の可愛い頭にツッコミを入れたのは曽根川(そねがわ)ひかるちゃん。 真面目でいつも一生懸命な頑張り屋さん。 みんなには優しいのに愛流には厳しいんだよなぁ。 ちなみにひかるちゃんは『俺っ子』なのです。俺っ子って分かるよね? 一人称が俺の女の子のことだよ。 何でも歳の離れたお兄さんとお姉さんに教育もとい洗脳されたらしい。 中性的な顔立ちをしてるから、格好によっては男の子にも見えるんだよ。 「で、さっきからお前は誰に話しかけてるんだよ」 「誰って、読者さんだよぉ。新聞部の日常を知ってもらうには、ちゃんとキャラクター説明しなきゃ駄目でしょ?」 「俺らの日常なんて小説にも漫画にもならないっての」 「じゃあ、アニメ化? それともまさかの実写化?」 「何処の誰がそんなもの作るんだよっ。絶対ありえないっ!」 つまらないなぁ……。 いや、ひかるちゃんの打てば響くツッコミは面白いんだけどね。  
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