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「それで何を騒いでいたんですの?」 いつの間に淹れたのか、お茶を飲みながら玲菜ちゃんがそう聞いてきた。 「そうだった! 玲菜ちゃん聞いてよー。ひかるちゃんったら酷いんだよ。愛流の頭、雑誌で思いっきり叩いたんだよ」 「天見が仕事もしないで、妄想に耽って変なもの書いてるからだろ」 変なものとは酷いなぁ。 って、ひかるちゃんもお茶飲んでるじゃないか。 愛流のも淹れてくれればいいのに。 「はぁ。またですの?」 「またとは人聞きの悪い。今までのとは一味違うんだよ」 ここで一息。聞いて驚くなよ。 「今回はなんと! ノンフィクションなのだっ。超優秀な新聞部が学園で起こる様々な事件を取材しながら解決に導くというサスペンスミステリーなの――」 「設定が8割方、嘘の小説なんてノンフィクション作品じゃないし」 うっ嘘じゃないもん。 色々と噂を確かめたり、問題の解決とかしてるもん。 被り気味で突っ込まなくたっていいじゃないかっ。 「へー。嘘じゃない? 第三新聞部(うち)が優秀? 優秀なのは真面目で正統派な内容の第一。人気があるのは常に流行りを取り入れてる第二。俺ら三人だけの新聞部なんて足元にも及びません」 「むっ。ちゃんとファンはいるもん」 「ごく一部の学園の謎や噂を好む、物好きな方々ですわね」 ううっ、玲菜ちゃんまで……。  
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