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「それから、うちの部長は天見だったよな? 成績優秀で運動神経抜群、才色兼備ねぇ。……誰の話だ?」 愛流、馬鹿じゃないし運動神経も悪くないもん。 そう訴えると、ひかるちゃんはしれっとした顔で言った。 「『馬鹿じゃない』イコール『成績優秀』ではありません。『成績優秀』っていうのは玲菜のようなやつをいうんだよ」 「『運動神経抜群』はひかるさんのような方のことですね」 ううっ。確かに玲菜ちゃんは実力テストでも定期テストでも、テストというものは常に上位に入ってるような子だ。 ひかるちゃんもひかるちゃんで、何のスポーツをやらせてもそつなく熟しちゃうし、体術は男子顔負けだもんな……。 否定できないのが悔しい。 「まぁ、文才があるのは認めよう。新聞の記事を書くのは天見だし、そのフィクションをノンフィクションだという妄想癖を除けば、天見の書く小説は面白い」 褒められたっ。滅多に褒めてくれないひかるちゃんに! そんな風に喜んでると、ひかるちゃんは言った。地獄に突き落とすかのような一言を。 「だが、才『色』ねぇ? 触角お子ちゃま娘が何をいうか」 視線は上から下、そして下から上へと向かい、ある部分で止まった。 そう。肩より下、お腹より上の部分で……。 
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