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「ひっっっどーい。愛流のこれは触角じゃないもん。チャームポイントだもん。それにひかるちゃんに言われたくないよ。ひかるちゃんだって童顔だし、胸もないじゃん!」
そりゃあ、身長はひかるちゃんの方が高いけど、胸の大きさはそんなに変わらないはずだもん。
それに愛流はまだ発展途上なだけだし。
「あら? ひかるさんは着痩せするタイプなだけで、意外と胸はありますわよ」
玲菜ちゃんの爆弾発言に、愛流はその発言自体に、ひかるちゃんはそんなことを知っているということに驚きの声をあげた。
「玲菜ちゃん、それ本当っ?」
「なっ!? 玲菜、何を言ってるんだよっ。ってか、何でそんなこと知ってるっ!?」
愛流とひかるちゃんの驚きをよそに、玲菜ちゃんは優雅にカップを口に運び、そしてのんびりと答えた。
「前に新聞部で合宿をするぞーって言って、泊まりに行ったときに露天風呂に入りましたでしょ? そのときに……ね」
ふふっと妖しくも美しいその微笑に、一瞬目が奪われる。いや、男子は目だけじゃなく、心を奪われてるのだけれど。
って、違う! 本題(本当の本題は違う)を忘れるところだった!
「ちょっと、ひかるちゃん! それ本当なの? 愛流にサイズを教えなさい」
「うっ、煩いっ! 玲菜も余計なこと言うなよ。この話はおしまいっ。終了!」
ああっ、逃げたな。新聞部長の名にかけて、絶対突き止めてやるんだから。
――と、こんな何の変哲もない、楽しい会話を繰り広げているのが『アルカディア魔法学園第三新聞部(仮)』なのです。
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