第一章 終わりと始まりのサイレン

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「匡太ぁ!!おい!しっかりしろ!」 審判「すぐに担架で運ぶからどいて!」 「くっ…」 それから何球投げたことだろぅ… 何球ボールをとられただろぅ… 三鷹の監督「ピッチャー交代だ」 マウンドを降りるときも腕は痙攣し震えていた。 ベンチに座っても、普段はしない貧乏揺すりをしていたり、頭をグシャグシャにかいていたり。 試合が終わった。結果はサヨナラ負け。そして、一弥の頭の中で「プツン」と何かが切れた音がした。 2007年8月10日午後3時 一弥の心は……雨 「ァァァァアアアアアアァァァ……」 球場で鳴り響いたサイレンは、一弥の心のなかでも響いて、野球人生の終わりを告げるように聞こえた……。
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