歌姫と森

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  ―――ガッ!!    ラッドの尻尾を掴む。   「せぇいゃ!!」    そのまま勢いをつけ、地面へと叩きつける。    ラッドの身体がバウンドする。魔物もここまでされれば虐待の扱いではないだろうか…。   「―――ふぅ…終わりましたわ」    地面のラッドはもはやピクリとも動かない。あの一方的な攻撃の、どこで絶命しただろうか。   「あそこまですると動物虐待だよね」   「弱肉強食の世界で、そんな甘い考えは通りませんことよ」    手首をプラプラと回しながら、レイナは言った。   「次に行きますわよ。ライトのレベルを上げるには、数を重ねるしかないのですから」    ライトの為と言ってはいるが、一番楽しんでいるのは他でもなく彼女だろう。    ライト達は、そのまま森の奥へと進んだ。    
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