歌姫と森

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  「でも、ライトはアタッカーできたのかしら?」   「一時期だけやってたけど…正直、昔の話だよね。しばらくは足引っ張るよ。」   「そんな事、初めからわかってましたわ。」    そんな話をしながら森を歩いていると、奥の茂みからそれは飛び出してきた。    ライトの腰ほどまである巨大なネズミが一匹。エメラルド色に輝く甲殻をキシキシと鳴らす虫が2匹。   「さっそく出ましたわね!!ライト、虫は任せましたわよ?」   「ちょっ!?今回、僕はレベ1だからキツいものが…」   「わたくしに虫を扱わせるおつもり!?」    レイナは半泣きだった。彼女は昔から虫は大の苦手であった。   「ネズミは任せなさい!!もし、あんな巨大なムシをわたくしの方に寄せたら、撲殺しますからね!!」    それだけ言って、レイナは飛び出した。    ライトは、込み上げる虚しさを抑えつつ、腰から木刀を抜いた。
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