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ある晴れた朝に氷槍こと蛍火光は学園部の大通りを通っていた。
「ちっ……コンビニはここしかないのか…」
街の端にある看板(木の板ではなく、電子看板になっている)を見ながら氷槍はコンビニに向けて歩をすすめた。
本来、学園部には学生しかいない。従って、ここで儲けを取ろうとしたら、学生寮の近くに店を構えた方が良いのだ。
氷槍は学園部の都市部近隣付近にいる。コンビニからの距離なら、都市部にいった方が良いのだが、学園部のコンビニは『学生割引』をしている為、こちらに行った方が金銭的に優しい。という訳だ。
事実、彼はそこまで金銭に困ってはいないが、少しでも安くすましたいという家庭的な一面もあるようだ。
「まだ距離はあるか……全く、どこまで遠出させる気だ…」
渋りながらも歩き続ける氷槍。
そして、やっとの事でコンビニに着いた。
「さて、とっとと中に………ッ!?」
「……おっとと」
入口でパンらしき物を入れたビニール袋をもった少年とぶつかりかけた。身長は氷槍と同じ位、頭はワックスを使ったのか、ギザギザヘアーになっていた。
「あっぶねぇな……次あったら槍ぶっさして説教してやる」
そう言った後に氷槍はコンビニ内に入っていった。
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