第2章~能力者VS能力者~

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「いらしゃいませ。」 半分寝ているような店員の声が聞こえる。 「さて、どれにするか……」 朝に何を食べるかはその日の気分で決める氷槍は、パンエリアから「朝に強い!栄養パン」とストレートティーをカゴに入れ、レジに持っていった。 「失礼します。お客様。貴方は学生ですか?」 本当に失礼だな。と思いながら、そうです。と氷槍は頷く。 「一応、確認させていただきます。」 そう言うと店員は何やら液晶パネル式の小型機械を取り出し、カメラらしき部分から氷槍の顔を映す。 「確認しました。十五才ですね」 そう言って店員はレジに数字を打ち込み、商品の値段を下げる。 今の機械は、対象にかざすだけで年齢が解るようになっている。本来は、未成年者に煙草やお酒を売らないように作られた物だが、今のように「学生割引」等でも活躍するので、ほとんどの店に配置されている。 代金の支払いを終えた氷槍はコンビニから出て、ある場所に向かった。 その『ある場所』とは、数日前、謎の殺人事件を報道した大きな液晶テレビのあるデパートの向かい、七階建てのビルの屋上だ。 「………」 氷槍は屋上にあるベンチに腰掛け、パンにかじりついた。 「………不味ッ!!」 栄養パンなんてネーミングの時点で気付いたら良かった。と彼は心の中で呟く。 氷槍はパンを袋に戻し、ストレートティーに口をつけた。 「……………甘ッ!!」 間違えてアップルティーを買ってしまったと朝から嘆く氷槍であった。
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