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「……ったく、朝からついてねぇな。」
そう言ってその場を離れようとしたその時だった。
突如、轟!という爆音と共にさっきまでそこにあったベンチが吹き飛ばされ、下に落ちていった。
「………!?」
氷槍はとっさに後ろに振り向いた。
「外してしまったか…」
黒い服を着た男が、そこに立っていた。手には空気で出来た球のような物がある。
「…テメェ、能力者か?」
「いかにも。俺の能力は『空気操作』(エアーコントローラー)全ての大気は我が武器になる。」
「それだけか?」
「大したことは無いが、貴様を倒すには十分!」
男、空気操作が再び空気の球を投げる。
轟!と音をたて、今度は氷槍に向かって一直線に飛んでいった。
………が、
ドゴッ!!
「……な!?」
驚いたのは男の方、さっきまでなかった氷で出来た壁が、彼……氷槍を守っていた。
「ったく、朝からついてねぇな。」
そう言って手から氷の槍、氷槍を出す。そして、彼は素早く地面を蹴り、男の胸元へ飛び込んでいった。
「俺はスピードが命でな。とっとと終わらせてもらうぜ」
「こんな玩具でか?」
そう言った刹那、氷槍が先から崩れていった。
「……くっ!」
とっさにバックステップで距離を取る。
「一体どんなトリックをしたんだ?」
「言っただろう?大気は全て我が武器だ。つまり、貴様は常に首にナイフを突き付けられているのと同じ。お前に勝ち目はない。」
空気操作はまた空気の球を造り出す。
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