第1章~リディア・アイランド~

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勿論、こんな謎の事件にマスコミが食い付かないはずがない。その事件はあっと言う間に広まった。 「……ククク、謎の死か…ははっ。これは傑作だ!」 大型デパートに付いている液晶テレビで出ているニュースを向かいのビルの屋上から見ながら高笑いしている少年がいた。 氷槍。 彼にはちゃんと「蛍火 光(ほたるび ひかる)」という名前が存在するのだが、その名を知っている者は少ない。何より、本人が嫌っているからだ。 ……自分を捨てた親が与えた名前だから。 氷槍は近くの自販機からストレートティーを買い、元の位置に戻った。 ストレートティーを数口飲んで一息ついた後、彼はニュースに出ている専門家に注目していた。 「……それにしてもニュースに出ている専門家、光学兵器か何かと勘違いしてるじゃねぇか。ありゃあ偽物だな。」 あれは多分警察がマスコミを黙らす為に送ったのだろう。少し知識がある者ならすぐガセと解る。第一、光学兵器を使ったのなら、死体に焦げた跡位は着いている筈だ。「ぽっかり穴が空いている」って言っているのに「あれは光学兵器ですね」なんて即答する方がおかしい。 「けっ……つまんねぇ」 氷槍は残っていたストレートティーを一気飲みし、ビルから立ち去った。
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