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「やめろ…やめてくれ…!」
壁際に追い詰められた男が、自身に向かって歩いてくる女に叫ぶ。
男の腕からは血が流れ続けていた。
刃物で斬られた大きな傷……
女の手には、大きな鎌が握られている、そう…男を斬ったのは彼女だった。
鎌を振り上げて薄く笑みを浮かべる女に、男は命乞いをする。
「な…なんでもやる!金か?土地か?それとも……」
「どれもいらない…」
「やめろ…やめっ…あ゛ぁぁ…!」
―グスッ…グチャッ…!
男の断末魔の叫びが屋敷の中に響き渡った。
女は容赦無く男を何度も何度も突き刺した。
男の身はえぐれてぐちゃぐちゃになり、床一面に血の海を作る。
そんな中に居ても、全く動じない女が見下すような目で無惨な男の姿を見つめた。
「私が欲しいのは、欲深きお前達の魂だ……」
大量の返り血を浴びても尚、薄い笑みを浮かべる彼女が何者なのか知る者はこの世界にはまだ居ない━…。
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