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さて、今私は家の中に居る。ひかるさんには外で待ってもらうことにした。もしかしたら…泣くかもしれないし…流石にそれは見られたくない。 リビングの前のドアで深呼吸をする。落ち着け、大丈夫落ち着けと言い聞かせるように。 本日四度目の物すり抜けをした。両親はやはりそこに居た。しかし2人とも出掛ける準備をしている。思い詰めたような顔で…まさか… 「父さん、母さん」 両親が振り返る。驚きのこもった顔の後、安堵の顔に変わる 「あんた…良かった…今病院から電話があって…あんたが死んだって電話が…」 「…本当に良かった…心配させるなバカ息子…」 その顔を見ただけで、私の心は真っ黒に染まった。ごめんなさい、父さん、母さん…それは事実なんです。私は…死んでるんです… その言葉が言えなくて…口は閉じたままで…唯一開けてあった目から、私の感情の全てが籠もった涙がこぼれ落ちた
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