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「プチ家出」と言っても、ただ単に隣の空き家に勝手に侵入して夜を過ごすだけ。
まるで、勢いよく家を飛び出した子供が、実は近くの公園に隠れてただけ、みたいな程度のことなんだけど。
私は別に、本当に家出するつもりなんかないからこれで満足だった。
とにかく、この店からの音や臭いが無い、一人になれる所に身を置いていたかったのだ。
私は、2階の母さんの部屋から毛布を持ってきた。心地良さそうに眠る母さんを起こさないように、それをフワリとかけてやった。毛布がかかった瞬間、寝返りを打った。
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