絶体絶命

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朝のHRも終わり、案の定私は質問責めを受ける。 実際は他愛もないことだけど、なにせ数が多く休み時間はそれだけで終わった。 一限目の始まりを告げるべくチャイムが鳴る。そこでようやく質問地獄から抜け出せた。 「授業を始めるぞ~」という先生の声を聞き、クラスメイトが自分の席に着く。 「あ~そうだ、白川まだお前の教科書届いてないんだわ」 そういえばそうだった。どうしようかと私が悩んでいると 「ホラ」 と、机の上に教科書が置かれた。それは隣の席の黒崎君の教科書だった。 私は一瞬、ポカンとなったがすぐに 「え、でもそしたら黒崎君が」 そういって、私は遠慮したが 「問題ない」 黒崎君はそういってそっぽを向いた。
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