絶体絶命

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とりあえず、私はお言葉に甘えて教科書を借りる。 「よっし、それじゃP12からだぞ」 先生は何事もなかった様に授業を始めた。幸い前の学校で習った所だったから焦ることはなかった。 そして、午前の授業も終わり、昼食の時間になり私も行こうと席を立つと、後ろから里香が 「愛香、お昼食べよ」 と誘ってきた。 「あ~里香、うんいいよ」 里香はこの学校に来て、最初にできた友達だ。名前や性格が似ていたので、すぐに仲良くなれた。 「早く行こ、席なくなっちゃうよ」 そういって、里香は食堂に向かう。まだ食堂が何処かわからないので、里香についていく。 「うわ~すごい人」 お昼の時間だけあって、食堂は混雑していた。 「こりゃ~座れないかも」 里香がため息混じりに呟く。 とはいえ、席が空くのを待ってたら昼食にありつけなくなる。多少無茶でも頑張るしかない。 「行くよ」 「うん」 私たちはそれだけ言うと、人ごみの中に突っ込んだ。
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