絶体絶命

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けれど、立ち上がった私の背中に「何か」が押し当てられた。 「え?」 なにが? 私の疑問はすぐに解消した。 「やれやれ、面倒なことになった」 その言葉を聞いたとき、私は悟った。 今、自分に押し当てられているのは「拳銃」なのだと。 「余計なことは考えるな。必要ない」 それは、抵抗が無意味とか、騒いでも無駄だとか、そんなことではない。 殺される。 私は一瞬で理解した。 自分は見てはいけないものを見てしまった。 だから、殺される。
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