絶体絶命

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「とぼけるな、なら何故逃げようとした」 「それは」 「少なくとも、お前は感付いたはずだ」 「俺が事件と関係していると」 彼は私に銃を向ける。 「今お前がとるべき行動は二つ。ここで死ぬか、今日のことを全て忘れるかだ」 そういって彼は引き金に指をかける。 「ま、待って、幾ら何でもそんなこと」 できるはずがない。 第一記憶を完全に消すなんてどう考えても無理だ。 「火の無い所に煙は立たない」 「なら、煙が立つ前に消せばいい」 その声は信じられない位に冷たかった。
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