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体が強張る。
「俺の正体がバレると厄介なんだ」
「完璧にわかる奴はいなくても、疑いの目を向けてくる輩がでる」
「それが面倒なんだ」
彼は煩わしそうに告げる。
「だから、それを知った人間は消さなければならない」
その言葉を聞いて、私は今更ながら自分の不幸を呪った。
「言いたいことがあるのなら言っておけ」
彼はカウントダウンを始める。
「5...4...3...」
私は呆然と考えた。
何でこんなことになったんだろ。
今までのやりとりから、彼が普通の人間ではないと思った。
こんな時になっても、まだそんなことを考える自分の性格を呪った。
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