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「愛香~どこ~」
自分を呼ぶ声が聞こえる。
「愛香~」
その声は里香のものだった。
「邪魔が入ったようだな」
安堵している私を見て、彼は銃をしまう。
「今日の所は見逃しておく」
「忘れるなよ、もし今日のことを誰かに話したら、その時はお前を殺す」
それだけ言うと、何もなかった様に彼はその場を後にした。
「た、助かったの?」
思わずその場にペタンと座り込む。
腰が抜けて体がまだ震えている。
「あれ?愛香、どうしたの?」
ふと顔をあげると、里香がいた。
「そういえば、さっき黒崎君とすれ違ったけど」
ビクリと体が反応した。
「ねぇねぇ、なんかあったの?」
私の頭にあの言葉が響く。
「誰かに話したら、お前を殺す」
「なんでもないよ」
私は里香にそういった。
「ふーん、いいやとにかくそろそろ授業はじまるよ?」
そう言われて時間を確認する。
「ホントだ」
気付くと昼休みももう終わりだった。
もっと長い間、此処にいた気がする。
「先、行くね」
そういって里香は戻っていった。
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